いよいよ12月、街がクリスマスムードになってきました。
パン屋さんにとっては、一年で最も忙しく、そして重要な「シュトレン(シュトーレン)」の季節の到来ですね。
事務所のブログでは、ドイツ語の発音に寄せて「シュトレン」と表記するようにしていますが、呼び方はどちらでも構いません。大切なのは、このお菓子が今、パン屋経営において非常に重要な意味を持っているということです。
1. 単価アップと売上確保の「要」
シュトレンは、日々のパン作りとは別のラインで製造しなければならず、現場にとっては正直「激務」のプラスオン業務です。バターにくぐらせ、砂糖をまぶし、ラッピングをする……手間は相当なものです。
それでも皆さんが一生懸命作るのは、シュトレンが**「高単価」かつ「日持ちがする」**商品だからです。 薄利多売になりがちなパン業界において、数千円単位の商品が飛び交うこの時期は、年末の売上を確保するための非常に重要なボーナスタイムと言えます。
2. シュトレンは「信頼の証」である
私が以前、ある有名なシェフから聞いてハッとした言葉があります。
「シュトレンは高いし、食べ切るのに時間がかかる。だから、よっぽどその店を信頼していないと買ってもらえないんだよ」
これは確信を突いていると思います。 数あるお店の中から、決して安くはないあなたのお店のシュトレンを選んでくれる。それは、「この店のパンなら間違いない」「ここのシェフが作るものなら美味しいはずだ」という、日頃の積み重ねに対する**「信頼」**があるからです。
つまり、シュトレンの売れ行きは、一年間のお客様との関係性が現れる、まさに**パン屋さんの「通信簿(総決算)」**のようなものなのです。
3. ライバル激増!大手の参入にどう勝つか
ここ数年、シュトレンの認知度は爆発的に上がりました。 私が驚いたのは、スターバックスのメニューに登場した時や、マネケンから「シュトレンワッフル」が出た時です。
認知度が上がるのは良いことですが、それは同時に「ライバルが増える」ことも意味します。 パン屋さんだけでなく、ケーキ屋さん、大手カフェチェーン、コンビニまでもが競合になる中で、選ばれなければなりません。
さらに今年は、原材料費の高騰で価格を上げざるを得ない状況です。 だからこそ、ただ「棚に並べる」だけでは売れません。
4. 「過程」を見せて、「見つけて」もらう
では、どうすればよいのか。今年注力すべきは以下の2点だと私は考えています。
① プロセス(過程)を見せる 「もうすぐ販売開始!」と告知するだけではなく、「今、フルーツを漬け込んでいます」「バターのいい香りがしています」といった準備の段階からSNSで発信してください。 完成までのストーリーを見せることで、お客様の「ワクワク感」を高め、発売と同時に手に取ってもらえる空気感を作ることが大切です。
② MEO対策(Googleマップ)を強化する Googleビジネスプロフィール(旧マイビジネス)の投稿に、「クリスマス」「シュトレン」「ギフト」といったキーワードを意識的に入れてください。 「近くでシュトレンを買いたい」と思って検索したお客様に、あなたのお店が表示されるように準備をしておくこと。これが地味ですが非常に効果的です。
シュトレン商戦は、一年の締めくくり。 皆様のお店の商品が、多くのお客様のクリスマスを彩ることを願っています。
